ノミ屋の話
僕はまだノミ屋と接触したことはないのですが、ノミ屋ってなんだか不穏な響きがありますよね。
でも、もしもなが~くノミ屋を続けているとすれば、その人はとっても経済や経営に強い人、つまり「商人(あきんど)」だと感心します。(もちろんけっしてノミ屋やノミ行為を勧奨しているわけではありません)
一定の公正さを保ちつつ、自分も損をしないように仕組みをつくるのはとても難しいことで、その仕組みをうまくつくれなければすぐに破綻してしまいます。
いくら中央競馬会の控除率を無視できるとはいえ、「違法」という前提でスタートしてますから、お客さん(店子)をつなぎとめるのは相当難しいでしょう。
予想が外れた人にお弁当やタクシー代を渡したりするそうですが、そこまで気を配るのはなかなかできることではなく、計算の瞬発力や迅速な決断、そして人をひきつける愛嬌があってのものです。
とはいえ、警察の取締りやインターネットの普及により、ノミ屋といわれる人たちは減っているようです。
そもそも、「ビジネス」になってしまった現代の商売では、こういう「商人(あきんど)」ってなかなかいないかもしれませんね。
「競り師」「行商人」「スカウトマン(主にスポーツ)」も少し近い感じがします。
こうして並べてみると、なんだかどの人たちもコンピュータによる計算社会とは違う世界にいる気がします。
自分の「勘」をよりどころに生きている。
つまり自分に由って生きている。
うらやましい。
現在、衆院で揉んでいる「カジノ法案」。
もしもカジノ法案が成立した場合、この「商人(あきんど)」たちはどうなってしまうのでしょう。