好き(?)な馬の話 「に」
「に」・・・たまにはダートの馬を。
ニホンピロアワーズは注目すべき馬でしょう。
2007年出生 牡馬
父:ホワイトノズル 母:ニホンピロルピナス
獲得賞金 約5億9000万円(2015年7月31日現在)
一部では、「なぜ引退しないのか?」と囁かれているようですね。
確かに現在8歳で、古馬としての風格は出てきたものの、いかんせんパワー不足の感はいなめません。
G1ダートで大活躍中のホッコータルマエは現在6歳。
2012年~2013年くらいはライバル関係だったと思いますが、今は同じ土俵にすら立っていません。。。
そこで気になるのは競走馬にとっての引退とは何かということです。
馬主の思惑や狙いはさまざまでしょうし、一概には図りかねますが、少なくとも「体力の限界によって思うようなレースができなくなったから引退」というように、人間のスポーツ選手と同じように考えるわけにはいかないと思います。
競走馬はすべからく人間が所有しているわけで、その価値は人間の尺度で測られています。
ちなみに、法律としては珍しく、現行の競馬法には趣旨のようなものがありません。
だいたいの法律は、第1条で趣旨または目的を定めています。
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第1条 この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。
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健康保険法
第1条 この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
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ただし、今年の競馬法の改正にあわせて、下記の条文が加えられます。
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改正競馬法
第1条 この法律は、馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために行う競馬に関し規定するものとする。
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軍馬の改良のために始まった競馬ですが、改正後の競馬法では、はっきりと「馬の改良増殖に寄与」と記されています。
これにより、競走馬は、ますます産業動物としての位置づけであることが色濃くなるわけでして、「(馬としての)価値」という目で常に見られるわけです。
人気の馬が早々に引退するのも、種牡馬としての価値をフル活用するためですね。
馬主はその馬の価値が最大になるようにいろいろと考えているので、引退せずに現役にこだわるのもその馬主さんにとっての価値だったりするのでしょう。
うーむ。。。
はたしてニホンピロアワーズはいつまで走り続けるのか。
個人的な感覚では、少なくとも、8歳になるまで大きなケガもなく走っていられるのは価値だと感じますし、2012年のジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)でのニホンピロアワーズの走りと酒井騎手のガッツポーズだけでも価値があるように思ってしまいますね。